「英語をやり直したい」

そう思った瞬間、目の前に広がるのは無数の選択肢です。

オンライン英会話? 文法書? 英単語アプリ? YouTube? TOEIC対策? シャドーイング?

情報が多すぎて、結局「何から始めればいいかわからない」まま動けない。

これ、40代の私がまさにそうでした。「やり直したい」という気持ちはあるのに、最初の一歩が決められない。ネットで調べれば調べるほど、「あれもやった方がいい」「これも大事」と選択肢が増えていく。

結局、私がたどり着いた答えは「順番を決めて、1つずつやる」というシンプルなものでした。

今回は、英文法がほぼゼロの状態から英語学習を始めた40代会社員の私が、実際にやった順番をそのまま公開します。「何から始めればいいかわからない」という人の参考になれば。

いきなり英会話を始めてはいけない理由

最初に伝えたいことがあります。

英語をやり直す時、一番やってはいけないのは「いきなりオンライン英会話に申し込むこと」です。

私は20代の時にこれをやって挫折しました。英文法もあやふやな状態で、画面の向こうの外国人講師と向き合う。聞き取れない。言葉が出ない。沈黙が続く。恐怖と屈辱で3ヶ月持たずにやめました。

英会話は「アウトプット」の場です。でもアウトプットするには、先に「インプット」が必要。英語の音に慣れていない、文法もわからない状態で英会話に飛び込むのは、ルールを知らないままサッカーの試合に出るようなものです。

だから40代で再挑戦した時は、順番を変えました。

私が実際にやった3つのステップ

Step 1. まず「耳と口」を慣らす(最初の1〜3ヶ月)

一番最初にやったのは、英語の音を聞いて、声に出す練習です。

使ったのはPimsleurという音声アプリ。テキストなし。画面も見ない。音声を聞いて、指示通りに英語を口に出すだけ。1回30分。

これを毎日、車の移動時間に流していました。

なぜこれを最初にしたかというと、英語の「音」に慣れないと、何をやっても始まらないからです。文法書を読んでも、単語を覚えても、聞き取れなければ会話はできない。

Pimsleurで毎日30分、英語の音を浴び続けていたら、2〜3週間で変化を感じました。「あ、今の単語聞き取れた」という瞬間が出てくる。そして「Excuse me, do you speak English?」が、考える前に口から出た。

この「口から出た」という体験が、その後の全てのモチベーションの源泉になりました。

Step 1で大事なのは「完璧に聞き取れるようになること」ではなく、英語の音に対する恐怖心をなくすこと。「何を言ってるか全然わからない」の状態から「なんとなくわかる部分がある」の状態に持っていく。これだけでStep 2以降のハードルがぐっと下がります。

Step 2. 英文法の「地図」を手に入れる(3〜6ヶ月目)

Step 1で耳と口を慣らしたら、次は英文法の全体像を頭に入れる作業です。

ここでも英会話には進みません。まだ早い。

使ったのは「総合英語Evergreen」という672ページの文法参考書。3ヶ月かけて最初から最後まで通読しました。その後も何度も読み返しています。

「672ページの参考書を通読? そんな気力ない」と思うかもしれません。正直、面白くはなかった。参考書ですから。でも通読したことで、英文法の「地図」が手に入りました。

英文法の「地図」とは、英語にどんなルールがあるかの全体像のことです。全てを覚える必要はない。「時制にはこういう種類がある」「関係代名詞はこういう時に使う」と知っているだけで、英会話で迷った時に「あの辺を調べればわかる」と目星がつく。

Step 1のPimsleurで「こう言えばいい」というパターンは覚えた。でも「なぜそうなるのか」がわからないと応用が効かない。Evergreenで文法の「なぜ」を理解したことで、パターンの外の表現も作れるようになりました。

通読のコツは、期限を決めること。 「3ヶ月で読み切る」と最初に決めて、1日数ページずつ進める。完璧に理解しなくていい。まずは1周して全体像を把握する。わからない部分は、英会話を始めた後に実戦で出会った時にもう一度読み返せばいい。

Step 3. ネイティブと実際に話す(6ヶ月目〜)

Step 1で耳と口を慣らし、Step 2で文法の地図を手に入れたら、いよいよ英会話です。

ここで初めて、オンライン英会話に申し込みました。私が選んだのはCambly。理由はアメリカ人講師をフィルターで指定できる唯一のサービスだったから。

20代で挫折した時との違いは明確でした。

Step 1でPimsleurを半年続けていたから、講師の英語が「音」として耳に入ってくる。完璧に聞き取れなくても、パニックにならない。Step 2でEvergreenを通読していたから、講師の文が「構造」として見える。「今のは現在完了だから、経験を話してるんだな」と推測できる。

最初のレッスンは緊張しました。 でも20代の時のような「何もわからない恐怖」はなかった。Step 1とStep 2の積み重ねが、確実に支えてくれていた。

「英会話は最後にやる」。 これが遠回りに見えて、実は一番の近道です。

よくある「最初の一歩」の失敗パターン

私の経験と、ネットで見かける挫折パターンを踏まえて、やりがちな失敗を3つ挙げます。

❌ 失敗①:いきなりオンライン英会話

前述の通り、これが一番多い失敗。「話せるようになりたい→英会話だ!」は直感的に正しく見えるけど、土台なしの英会話は恐怖体験になる。まず耳と文法を準備してから。

❌ 失敗②:教材を3つ以上同時に始める

「Duolingoもやって、文法書もやって、YouTubeもやって、英会話もやる」。全部中途半端になって、どれも続かない。1つの時期に集中するのは1〜2つまで。 私の場合、最初の3ヶ月はPimsleurだけ。次の3ヶ月はPimsleur+Evergreen。Camblyを加えたのはその後。

❌ 失敗③:「まず単語を覚えよう」から始める

「語彙が少ないから単語帳から」は学生時代の発想。大人のやり直しには向いていません。単語の暗記は地味で苦しく、成果が見えにくい。音声教材で「フレーズごと」覚えた方が実戦で使えるし、続く。

この順番が「挫折しにくい」理由

なぜ「音声 → 文法 → 英会話」の順番が良いのか。理由をまとめます。

Step 1(音声)が最初な理由: 机に座る必要がなく、生活の中に組み込めるから「習慣」が先にできる。英語学習を「特別な行動」ではなく「日常の一部」にしてから次に進む。

Step 2(文法)が2番目な理由: Step 1で英語の音に慣れた状態で文法を学ぶと、「あ、Pimsleurで聞いたあの表現はこういう文法だったのか」と繋がる。音と知識が結びつくから理解が深い。

Step 3(英会話)が最後な理由: Step 1と2の準備があるから、英会話の恐怖心が最小限。「聞き取れる」「文の構造がわかる」状態で臨むから、沈黙の恐怖に押しつぶされない。

つまり、各ステップが次のステップの「保険」になっている。 だから途中で挫折しにくい。

まとめ—「何から始めるか」の答え

英語のやり直し、何から始めるか。

私の答えは明確です。

① まず音声教材で耳と口を慣らす → ② 文法書で英語の地図を手に入れる → ③ オンライン英会話で実戦する

この順番で進めば、20代で挫折した人でも、40代から始める人でも、英語学習は続きます。私が証明です。

大事なのは「何をやるか」よりも「何から始めて、どの順番でやるか」。順番さえ間違えなければ、英語のやり直しは何歳からでもできます。

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この記事は筆者の実体験に基づいて書かれています。紹介している教材・サービスは実際に使用しているものです。