「オンライン英会話を始めたいけど、怖い」

その気持ち、私は誰よりもわかります。

20代の頃、オンライン英会話に申し込んだことがあります。画面に外国人の講師が映って、笑顔で何かを話しかけてくる。でも何を言っているのかわからない。返す言葉も出てこない。沈黙が5秒、10秒と続く。講師の笑顔がだんだん困った顔に変わっていく。

あの沈黙の恐怖は、10年以上トラウマになりました。

3ヶ月で逃げるようにやめて、それから15年間、英語には一切触れなかった。「英会話」という言葉を聞くだけで、あの沈黙の記憶がよみがえる。

でも40代になった今、私はオンライン英会話を毎週続けています。しかも楽しんでいる。

何が変わったのか。勇気が出たわけじゃない。根性がついたわけでもない。「始める前に、やるべきことをやった」だけです。

オンライン英会話の「怖さ」の正体

まず、何が怖いのかを分解します。

「怖い」と一言で言っても、その中身は人によって違う。でも多くの場合、以下の3つのどれかに当てはまります。

怖さ①:聞き取れなかったらどうしよう

講師が何を言っているかわからない。聞き返すのも恥ずかしい。何度も聞き返したら嫌がられるんじゃないか。

怖さ②:言葉が出なかったらどうしよう

言いたいことはあるのに英語にできない。頭の中で日本語がグルグル回って、口からは何も出てこない。沈黙が続く。

怖さ③:間違えたら恥ずかしい

文法を間違える、発音がおかしい、変な英語を話してしまう。講師に笑われるんじゃないか。バカだと思われるんじゃないか。

20代の私は、この3つ全部を同時に食らって挫折しました。

40代の私がやった「2つの準備」

40代で再挑戦した時、私はいきなりオンライン英会話には申し込みませんでした。

怖さの原因が「準備不足」だとわかっていたから、先に準備をした。

準備①:一人で「英語を口から出す」練習をした

英会話が怖い最大の理由は「言葉が出ない」こと。逆に言えば、一人で英語を口に出す経験を先にしておけば、恐怖心は大幅に減る。

私はPimsleurという音声アプリを使って、毎日車の中で英語を口に出す練習をしました。相手はいない。画面もない。音声が「こう言ってください」と指示して、自分が声に出す。それだけ。

誰にも聞かれない場所で、好きなだけ失敗できる。

これを3ヶ月続けた頃には、基礎的な挨拶、自己紹介、質問のフレーズが反射的に口から出るようになっていました。「Excuse me」「Could you say that again?」「I don’t understand」——こういう「会話を繋ぐフレーズ」が体に入っているだけで、英会話の恐怖心は全然違います。

聞き取れなくても「Could you say that again?」と言えるだけで、沈黙にならない。それだけで怖さが半減する。

準備②:英文法の「骨格」を先に理解しておいた

もう一つやったのは、英文法の参考書を通読すること。

「英会話の前に文法?遠回りじゃない?」と思うかもしれません。でもこれが効きました。

文法を知らない状態で英会話をすると、講師の英語が「意味不明な音の羅列」に聞こえる。でも文法の基礎があると、全部は聞き取れなくても文の構造が推測できる。

「”have been”って言ったから、経験の話をしてるんだな」「”if”が聞こえたから、仮定の話だな」——こんなふうに、聞き取れた断片から全体を推測できるようになる。

100%聞き取れなくても、構造が見えれば怖くない。「何を言っているか全くわからない」と「全部は聞き取れないけど、だいたいわかる」の間には、天と地ほどの差があります。

そして迎えた「初日」—何が起きたか

準備を半年ほど続けた後、オンライン英会話のCamblyに申し込みました。

正直に言います。初日は緊張しました。 準備をしたとはいえ、15年ぶりに外国人と英語で話す。あのトラウマが完全に消えたわけではなかった。

レッスン開始。画面にアメリカ人の講師が映る。笑顔で「Hi! How are you?」と話しかけてくる。

ここで、Pimsleurで何百回と練習した言葉が、反射的に出ました。

「I’m good, thank you. How about you?」

たったこれだけ。でも、口から出た。

20代の時は、この最初の一言すら出なかった。「How are you?」に対して何と返せばいいかわからず、固まった。

40代の今回は、考える前に出た。Pimsleurで体に染み込ませていたフレーズが、本番で機能した瞬間でした。

その後、講師が「Where are you from?」「What do you do?」と質問してくれて、自己紹介の基本的なやり取りが続いた。全部スムーズとは言わない。何度も聞き返したし、文法を間違えたし、言いたいことが英語にできずに詰まった場面もあった。

でも沈黙の恐怖はなかった。

聞き取れない時は「Could you say that again?」と言えた。言葉に詰まった時は「How do I say…」と講師に助けを求められた。「会話を繋ぐフレーズ」を持っているだけで、沈黙にならない。

25分のレッスンが終わった時、手が震えていました。緊張で。

でもそれは、20代の時の「恐怖の震え」とは違った。「やれた」という興奮の震えでした。

「怖い」を減らすための4つのアドバイス

私の経験から、オンライン英会話の恐怖心を減らすために効果があったことを4つ挙げます。

① 「会話を繋ぐフレーズ」を5つだけ覚えておく

完璧な英語は不要。以下の5つを反射的に言えるようにしておくだけで、沈黙の恐怖が激減します。

  • Could you say that again?(もう一度言ってもらえますか?)
  • Could you speak more slowly?(もう少しゆっくり話してもらえますか?)
  • I don’t understand.(わかりません)
  • How do I say… in English?(…は英語でなんと言いますか?)
  • Just a moment, please.(少々お待ちください)

この5つがあれば、どんな場面でも「沈黙」にならない。

② 講師のプロフィールを事前に見る

Camblyなどのサービスでは、講師のプロフィールや自己紹介動画を事前に見ることができます。話すスピードがゆっくりな講師、笑顔が多い講師を選ぶと、初回のハードルが下がります。

③ 最初のレッスンは「自己紹介だけ」と決めておく

初回から難しい話題に挑む必要はない。名前、住んでいる場所、仕事、趣味。これだけ準備しておけば初回は乗り切れます。

④ 学ぶ英語のアクセントを1つに絞る

私はPimsleurで慣れたアメリカ英語に合わせて、Camblyでもアメリカ人講師だけを選びました。聞き慣れたアクセントで話してくれるから、聞き取りやすい。Camblyは講師の国籍をフィルターで絞れるので、「アメリカ人のみ」で検索できます。

それでも「まだ怖い」という人へ

ここまで読んでも、まだ怖いかもしれません。それは普通です。

でも一つだけ伝えたいことがあります。

英会話講師は「英語ができない人」に慣れています。

講師にとって、英語が話せない初心者は毎日のように出会う相手です。沈黙が続いても、文法がめちゃくちゃでも、発音がおかしくても、講師は慣れています。笑ったりしない。バカにしたりしない。

「こんな英語で恥ずかしい」と思っているのは自分だけ。講師はあなたの英語力を評価しているのではなく、あなたが英語を話そうとしているその行動を見ています。

まとめ—「怖い」は準備で減らせる

オンライン英会話が怖いのは、準備が足りていないから。

私がやった準備は2つだけ。

① 一人で英語を口に出す練習を先にやる(→ Pimsleurで車の中で毎日30分)

② 英文法の骨格を先に理解しておく(→ 総合英語Evergreenを通読)

この2つをやった上で英会話に臨んだら、20代で挫折した自分が信じられないくらい、ちゃんと「会話」ができました。

英会話の恐怖に打ち勝つのは「勇気」ではなく「準備」です。

もし今「怖いけどやりたい」と思っているなら、まずは車の中で、一人で30分。それが半年後の「初日」を支えてくれます。

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この記事は筆者の実体験に基づいて書かれています。紹介している教材・サービスは実際に使用しているものです。